2008年02月28日
痛みや体の不調 原因は鬱病かも?
心の調子が悪いと、どこか体がいうことを利かない。
なんだか分かります。
腹痛や片頭痛、耳鳴り、腕のしびれなど、症状はあるのに原因がわからず、治療をしても症状が改善されない?これらの体の不調の原因は「鬱病(うつびょう)」の身体症状の可能性があるという。精神科クリニックで25年にわたり治療にあたってきた大塚クリニック(千葉市稲毛区)の大塚明彦院長は、「鬱病は適切な治療で必ず治る」とし、内科医など一般科の医師も正しく診断・治療することの必要性を訴えている。
鬱病は、気分が落ち込むなどの症状や、だれでもかかる可能性があることから「心の風邪」ともよばれる。しかし、大塚院長は「鬱病は“心”ではなく、脳の神経伝達物質の不足からくる病気」と言いきる。実際、近年急速に発展している脳科学で、鬱病と脳の神経伝達物質の関係が少しずつ証明されてきている。
脳の神経伝達物質をコントロールする薬は数種類あり、鬱病と診断されれば、治療することができる。問題は、鬱病と診断されず、適切な治療がされないまま放置されている人が少なくないことだ。
鬱病は、睡眠障害をはじめとして、疲れやすい、食欲不振、頭痛、便秘、肩こり、めまい、吐き気、腹痛、下痢、しびれ、呼吸困難など多彩な症状をともなう。しかし、たとえば「便秘」や「吐き気」で鬱病を疑う人はまずいない。そのため、鬱病患者の多くが内科や耳鼻科などを受診、検査をしても鬱病と診断できないことが多いという。
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大塚院長が診た患者に、30年間にわたりさまざまな病院を回ったあげく、医師に見放されて寝たきりとなっていたYさんがいる。Yさんは著名な生命科学者で、あまりの痛みに、命をつないでいた点滴による栄養補給をやめようと思い詰めていたが、大塚院長の診察を受け、抗鬱剤などを処方されたところ、1週間で痛みがとれ、寝たきりから歩けるまでに回復した。このときのようすはNHKでも放映され、原因不明の痛みに苦しむ全国の患者から問い合わせが殺到した。
大塚院長は、Yさんのように病院を転々とする鬱病の患者が少なくない理由のひとつに、鬱病患者には、自分の体の状況について正しい認識ができなくなる「認知障害」があるためとみている。多くの医師は鬱病患者に認知障害があることを知らないため、正しい診断が下せない場合が少なくないという。
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鬱病は自殺の主な原因とされ、年間3万人を超える自殺者を減らすには鬱病を正しく診断し、適切な治療をすることが求められている。しかし、鬱病なのに鬱病と診断されず、救える命を失っているのが今の日本の現状だ。
大塚院長は長年の経験をもとに、1日の身体的な変化から鬱病の兆候を割り出す「脳ナビ」というチェック診断表を開発、診療に生かしている。また、内科など一般診療科の医師にこうした現状を知ってもらおうと、昨年12月に『その痛みは「うつ病」かもしれません』(草思社)という本を出版した。大塚院長は「もし原因不明の痛みに苦しんでいる人がいたら、鬱病を疑ってみてほしい」と呼びかけている。
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